配食サービスと介護保険の関係
介護保険は適用されるのか
介護保険の中には食事提供に関するものや自宅でホームヘルパーが食事を作ってくれるサービスもありますが、食事そのものを届けてくれるサービスはありません。自治体によっては自立支援の一環として位置づけられ「要支援もしくは要介護認定を受けている」という条件を満たせば介護保険特別給付を利用してサービスを受けることができるところもありますが、「自治体によっては」なので、そういったサービス自体を行っていない自治体もあります。介護保険を適用して配食サービスを利用したいのであればまずは自治体で配食サービスを行っているかどうかを確認しましょう。
また、配食サービスは必ずしも自治体が行っているサービスではないため、自治体ではなく民間企業が中心となって行っているのがほとんどです。民間企業のサービスには基本的に介護保険は適用されないので、配食サービスはいわば「介護保険外のサービス」なのです。
自治体の配食サービスを利用する
配食サービスは自治体と民間企業で利用方法が違います。比較的安い自治体の配食サービスを利用する場合は市町村役場や地域包括支援センターを窓口としてケアマネジャー経由で利用申請を行います。これは、高齢者の安否確認を兼ねて条件に該当するか確認したり連絡体制を整えたりする必要があるからです。
サービスの利用が決定次第、指定した日時に合わせて食事が届けられるようになるわけですが、まずはサービスの利用を申請してアセスメントを行い、その後、利用調整を経てようやくサービスを利用できる、という流れなので思い立ってすぐに配食サービスを開始することはできないでしょう。また、配食サービスは高齢者の様子見や安否確認も兼ねているので、食事が届く時間帯には必ず在宅していなければなりません。不在の場合はケアマネジャーに連絡がいってしまうので、前もって担当者に不在であることを伝えておきましょう。
民間企業の配食サービスを利用する
一方、民間企業の配食サービスを利用する場合は、企業と直接契約を交わします。契約が成立次第食事が届けられますが、自治体の配食サービス同様安否確認も兼ねているので、配達されるときは自宅にいなければなりません。自治体のようにケアマネジャーにすぐに連絡することはありませんが、高い費用を支払ってサービスを受けているのに食事を無駄にしてしまうのはもったいないので、不在の際は事前に連絡を入れておくようにしましょう。
また、民間企業の場合、同じ配食サービスでも全国的に行っている企業、地域に限定した企業、など種類がいろいろあり、内容も「すぐに食べられる状態で配達してくれる」や「冷凍食品の状態でまとめて送ってくれる」などその企業ごとに特色があります。選択肢が幅広いので焦って決めずに、生活ペースに合わせて利用しやすい企業をじっくり吟味して選びましょう。